ビジネス環境が刻々と変化する中、企業が生き残るには機動力が何よりも重要です。
リアルタイム分析は、最新のデータに基づいた意思決定を可能にすることで、タイムリーな対応を実現します。
昨今IoT技術の発達により、顧客分析や金融の不正検知だけでなく、製造現場や生産ラインの稼働状況もリアルタイムに分析できるようになりました。
一方で従来の分析基盤では、ストリーミングデータの連続処理が難しいといった課題もありIT担当者がツール選定に苦労しているという背景もあります。
そこで本記事では、リアルタイム分析をする上でリアルタイムデータベースが必要とされる理由やその重要性、ユースケースを解説。
リアルタイム分析に課題を抱える方の解決のヒントになれば幸いです。
リアルタイム分析とは
リアルタイム分析とは、ストリーミングデータを即座に処理・分析し、そのインサイトを即時に活用することを指します。
ストリーミングデータには、センサーデータやログデータ、クリック行動データといった、連続的に発生するデータが含まれます。
そして、これらのデータが常に最新であることがリアルタイム分析には非常に重要です。
リアルタイム分析が重要な5つの理由
特に昨今、企業がリアルタイム分析を重要視する背景には次の5つが関係しています。
タイムリーな意思決定
ビジネス環境が刻一刻と変化する中、遅れた情報に基づく判断では適切に対応することができません。リアルタイム分析によって常に最新の情報に基づいた意思決定ができ、結果機会ロスを防げます。
顧客満足度の向上
リアルタイムのユーザー行動データを分析することで、顧客ニーズをタイムリーに把握し、カスタマーエクスペリエンスの改善に活かせます。パーソナライズ施策の強化にもつながります。
リスク管理の強化
金融取引、製造現場、IT システムなどにおいて、リアルタイムにリスクを検知し、迅速に対処できれば、損失を最小限に抑えられます。事前の予測モデリングにも役立ちます。
業務プロセス最適化
IoTデータを活用し、リアルタイムに生産ラインや物流の稼働状況を分析することで、ボトルネックの発見や無駄の排除に繋がります。
競争力の強化
刻々と変化する市場環境に機動的に対応でき、新規事業やサービスの立ち上げが早期に実現できれば、競合に先んじた戦略が可能になります。
このように、リアルタイム分析はスピード経営を実現し、機会ロスを防ぎ、リスクを最小化し、業務の最適化を図ることで、結果として企業の収益性や競争力の向上に貢献します。
リアルタイム分析を行う上での従来のデータベースの課題
リアルタイム分析を行う上で、データベースは必須ツールです。
しかし、従来のデータベースには次のような課題がありました。
データの最新性の確保
- 通常のRDBMSやデータウェアハウスは、データの書き込みから参照までにレイテンシーが発生する
- ストリーミングデータの最新状態を常に反映することが難しい
大量データの連続処理
- センサーなどから絶え間なく発生する大量のデータを、従来のデータベースで効率的に処理することは困難
- ディスク I/Oがボトルネックとなり、パフォーマンスが制限される
可用性と耐障害性の制約
- リアルタイム分析では常時稼働が求められるが、従来のデータベースは計画停止が必要
- 障害発生時のダウンタイムが許容できない
高度な分析機能の欠如
- 分散処理やインメモリ処理への対応の遅れ
リアルタイムデータベースの特徴
このような課題を解決するのがリアルタイムデータベースです。
Aerospike Databaseでは、リアルタイム分析を可能にする次のような特徴があります。
インメモリ処理による高速データ処理
- ハイブリッドメモリ処理*¹による高速データ処理
- インデックスをメインメモリ、データをSSD上に常駐させることで、ディスクI/Oのオーバーヘッドを排除
- データグリッドにより並列分散処理を実現し、大量データの高スループット処理が可能
- インメモリデータ処理*²と同等のパフォーマンスを出しながらTCO削減可能
*¹Aerospikeの特許技術
*²Aerospikeはインメモリデータ処理も可能
ストリーミングデータの即時挿入と参照
- センサーデータなど連続的に発生するデータを、遅延なくリアルタイムで挿入、参照
従来のデータベースでは最新のデータを即座に参照することが難しい高度な分析機能の搭載
- 低レイテンシーと高スループットにより最新のデータを即座に参照
- SQLだけでなく、より高度な分析ツールをサポート
高い可用性と耐障害性
- レプリケーションやシャーディングにより、システムの可用性を高く保つ
- ノードの追加で容易にスケールアウトが可能
データの自動チューニングと最適化
- メモリ使用量の自動最適化、インデックス自動作成など
- 運用管理の手間を大幅に軽減
TCO削減
・ハイブリッドメモリアーキテクチャにより、サーバー数を大幅に削減
リアルタイムデータプラットフォーム:業界別ユースケース
リアルタイムデータベースを使うことによって、金融取引の不正検知やマーケティングキャンペーンの即時分析、IoTデバイスからのセンサーデータ処理などが可能になります。
ここではAerospike Databaseの事例を3社ご紹介します。
Paypal
世界最大のオンライン送金、請求、支払いシステムのPaypalは、グローバルな不正防止ネットワーク強化のためAerospike Databaseを採用。誤検知を1/30に削減するだけでなく、サーバーの設置面積も1/15に削減を実現しました。
Sony Interactive Entertaiment
世界中にPlayStation Studiosのゲーム開発スタジオを有するSony Interactive Entertaimentは、インデックスの再構築時間を12倍削減。よりリアルタイムなパーソナライズ体験を顧客に提供できるようになりました。
楽天
ディスプレイ広告プラットフォームを通じて、Eコマースをサポートするさまざまな種類の広告を提供する楽天は、膨大なデータ量を高いパフォーマンスと低レイテンシーで処理できるエアロスパイクを採用。これによりデータベースの安定稼働だけでなく業務効率化も実現しました。
リアルタイム分析にリアルタイムデータベースが必要な理由 まとめ
本記事ではリアルタイム分析にリアルタイムデータベースが必要な理由を紹介しました。
下記資料ではAerospike Databaseの基本概要を紹介しています。
ぜひリアルタイムデータベースの選定材料としてお役立てください。