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NoSQLとは?RDBとの比較やメリット・デメリットについて解説!

2023.11.16 NoSQL
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企業にとって大きな課題の一つとなっているビッグデータ。

 

非構造化データ、半構造化データ、データ量、データ速度など、様々なビッグデータのデータソースに対応するため、昨今No SQLニーズが高まっています。

 

NoSQLは「Not Only SQL」の略で、RDBではないデータベースの総称とも言われています。

 

そこで本記事では、No SQLの基礎とRDBとの違いやNo SQLのメリット・デメリットについて解説します。

 

No SQLデータベースの概要

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No SQLデータベースは、従来のリレーショナルデータベース(RDB)とは異なるアプローチを採用しており、大量のデータを効率的に取り扱うための技術として、多くのアプリケーションやシステムで採用されています。

 

これらのデータベースは、固定されたスキーマやテーブル構造を必要とせず、柔軟なデータ構造を持っています。

 

これにより、アプリケーションの要件が変わっても、データベースの構造を簡単に変更できるメリットがあります。

 

NoSQLの定義と起源

前述した通り、Not Only SQLの略であるNoSQLは、RDBではないデータベースの総称と言われています。

 

これはSQLクエリ言語を必ずしも使わないという意味ではなく、伝統的なリレーショナルデータベースとは異なる構造を持つことや、SQL以外のクエリ言語やデータモデルを採用することが可能であることを示しています。

 

NoSQLデータベースは、ビッグデータやリアルタイム処理を要求される現代のアプリケーションに適しており、キーバリューストア、ドキュメントストア、カラムストア、グラフストアなど多様なデータモデルを提供しています。

 

No SQLの大きな特徴としてはデータが構造化されないことです。

 

RDB(リレーショナルデータベース)の場合はテーブルの構造やテーブル間の連携などを定義し、そこにデータを入れて操作することになります。

 

RDBとの比較

RDBは、関係モデルに基づき、厳格なスキーマとテーブルで、行と列によるデータの整理が可能です。

 

これに対して、NoSQLデータベースは固定スキーマを持たず、さまざまなデータモデルをサポートしています。

 

この違いは、Webアプリやモバイルアプリの急増に伴い、大量のデータや高いスループットの要件に対応できる、新しいデータ管理方法が求められていることに起因します。

 

NoSQLデータベースは、水平的なスケーラビリティに焦点を当てることで、データの読み書きの高速化やビッグデータの取り扱いを容易にします。

 

NoSQLの主要な特徴

NoSQLデータベースは、従来のリレーショナルデータベースとは異なるアプローチを採用しており、大量のデータを効率的に取り扱うための技術として、現代の多くのアプリケーションやシステムで採用されています。

 

NoSQLの名前は、”not only SQL”(SQLだけではない)を意味し、SQL以外のクエリ言語やデータモデルを採用することが可能であることを示しています。

 

NoSQLデータベースは、従来のリレーショナルデータベースとは異なるデータ構造を持ち、大量のデータを柔軟に扱ったり、高速なデータの読み書きを可能にします。

 

キーバリューストア、ドキュメントストア、カラムストア、グラフストアなど多様なデータモデルを提供し、SNSやリアルタイムアナリティクス、クラウドコンピューティングといった新しい技術トレンドとの相性が良いのが特徴です。

 

スキーマレス設計のメリット

NoSQLデータベースは、柔軟なデータ構造を持っており、固定されたスキーマやテーブル構造を必要としません。

これにより、アプリケーションの要件が変わっても、データベースの構造を簡単に変更できるという大きなメリットがあります。

 

従来のRDBでは、スキーマの変更は比較的手間がかかりますが、NoSQLではこのような制約がなく、データモデルの柔軟性が高まります。

 

このため、非構造化データや多様なデータ形式を扱う現代のアプリケーションに適しています。

 

スケールアウト(水平拡張)と柔軟性

NoSQLデータベースは拡張性に優れており、スケールアウト(水平拡張)できるため、大量のデータやリクエストを効率的に処理できます。

 

従来のRDBが持つ拡張性の限界を打破し、データの成長に合わせてリソースの追加も簡単です。

 

これにより、ビッグデータや高トラフィックのシステムに対応する能力が高まり、特にリアルタイムでの大量データ処理や高速な読み書きが必要とされるアプリケーションに適しています。

 

NoSQLデータベースのメリット

NoSQLデータベースは、その設計と機能により、多くのメリットを持っています。

 

  1. 低レイテンシーを実現できる

NoSQLデータベースは、高速な読み書きが可能で、低レイテンシーを実現します。

これは、データの構造が柔軟であり、複雑な結合操作やトランザクション処理が不要なためです。

 

特にキーバリューストアやドキュメントデータベースでは、単純なキーによるアクセスや、ドキュメント全体の取得・更新が迅速に行えるため、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。

 

  1. 高スループットが実現できる

NoSQLデータベースは、大量のデータ操作を効率的に処理できるため、高スループット(単位時間あたりの処理量)を実現します。

これは、スケールアウト(水平拡張)と分散処理の能力によるものです。

 

多くのNoSQLデータベースは、複数のサーバーにデータを分散させることで、負荷を均等に分散し、大量のリクエストに対応できます。

 

  1. データの複製が容易

NoSQLデータベースでは、データの複製を簡単に行うことができます。

これにより、データの可用性と耐障害性が向上します。

 

例えば、一つのサーバーがダウンした場合でも、他のサーバーに複製されたデータにアクセスすることで、サービスの中断を防ぐことができます。

また、データの複製は、読み込み処理の分散にも役立ちます。

 

  1. 複数サーバにデータを分散させることが容易

NoSQLデータベースは、データを複数のサーバーに分散させることが容易です。

これにより、データベースの負荷を分散し、システム全体のパフォーマンスと信頼性を向上させることができます。

 

分散処理は、特にビッグデータの分析やリアルタイム処理において重要です。

 

  1. 分散できるので大量データの所持が可能

NoSQLデータベースの分散処理能力により、非常に大量のデータを効率的に管理することが可能です。

データを複数のサーバーに分散させることで、単一のサーバーにかかる負荷を軽減し、大規模なデータセットの保存と処理が可能になります。

 

  1. 分散できるのでスケールアウトが容易

NoSQLデータベースは、スケールアウト(水平拡張)が容易です。

これは、追加のサーバーをシステムに組み込むことで、容易に処理能力を拡張できることを意味します。

 

アプリケーションの成長に合わせて、データベースのリソースを柔軟に拡張できるため、スケーラビリティが高いと評価されています。

これらのメリットにより、NoSQLデータベースは、現代の多様なデータ処理ニーズに対応するための強力な選択肢となっています。

特に、大規模なデータセットの管理、高速なデータアクセス、システムの拡張性が求められる場合に、その真価を発揮します。

 

NoSQLデータベースのデメリット

一方でNoSQLデータベースには、このようなデメリットもあります。

 

  1. 一貫性を保つのが難しい

NoSQLデータベースは、従来のRDBが提供する厳格な一貫性を犠牲にして、可用性や分断耐性を優先することが多いです。

そのため、NoSQLデータベースでは、データの一貫性を保つことが難しく、特に分散環境ではデータの不整合が生じる可能性があります。

 

  1. 複数レコードに渡るトランザクションが難しい

NoSQLデータベースは、複数のレコードにまたがる複雑なトランザクションをサポートする能力に限界があります。

リレーショナルデータベースのように、ACID(原子性、一貫性、隔離性、持続性)特性を完全にサポートするわけではないため、複数の操作を一つのトランザクションとして扱うことが難しいのです。

 

これにより、特定のビジネスロジックやデータ整合性を維持するための処理が複雑になることがあります。

 

  1. 複数テーブルの連携が難しい

NoSQLデータベースは、RDBのように複数のテーブル間での結合(JOIN)操作をサポートしていないことが多いです。

そのため、複数の異なるデータセットを連携させることが難しく、アプリケーション側で複雑なデータ処理を行う必要があります。

これは、特に複数の関連するデータを一度に取得・表示する必要がある場合に、開発の複雑性を増加させます。

 

  1. 検索負荷が高い

NoSQLデータベースは、複雑な検索クエリやデータ分析において、リレーショナルデータベースに比べて劣る場合があります。

 

特に、非構造化データや大規模なデータセットに対する複雑な検索クエリを実行する際には、パフォーマンスの低下や高い計算負荷が発生することがあります。

これは、NoSQLデータベースが検索最適化のためのインデックスや統計情報を持たないことが原因の一つです。

 

これらの弱点は、NoSQLデータベースの選択と設計において重要な考慮事項となります。

プロジェクトの要件やデータの特性を十分に理解し、これらの弱点を補うための戦略を立てることが重要です。

 

NoSQLの種類とそれぞれの特性

NoSQLデータベースは、その柔軟性と拡張性から、多様なデータモデルを提供しています。

これらのモデルは、用途や要件に応じて選択され、特定のシナリオにおいて最適なデータ管理を実現します。

 

No SQLのデータモデルにはデータをどのように保存するかによって4つの種類があります。

  • レコードストア(キーバリューストア):キーと複数の値のセットで操作
  • カラムストア:同一カラムの値を操作
  • ドキュメントストア:JSONなどのドキュメントを操作
  • グラフストア:データがネットワーク上で関連

 

キーバリューストア(レコードストア)

キーバリューストア(レコードストア)は、その名の通り、キーと値のペアでデータを格納する最もシンプルな形式のNoSQLデータベースです。

 

一見RDBと同じように見えますが、No SQLではキーでのアクセスが前提になります。

 

このタイプのデータベースは、高速な読み書きが可能で、大量のデータを効率的に処理することができます。

 

キーバリューストアは、Webアプリケーションのセッション情報や、ショッピングカートのような一時的なデータの保存に適しています。

 

ドキュメントストア

ドキュメントストアは、JSON、XML、BSONなどの形式でデータをドキュメントとして保持し、アクセスする仕組みです。

 

これにより、複雑なデータ構造を持つデータを柔軟に扱うことができ、スキーマの変更が容易になります。

 

ドキュメント指向データベースは、コンテンツ管理システムやブログ、Eコマースの製品情報管理などに適しています。

カラムストア

カラムストアは、カラムごとにデータを集計とアクセスをすることを目的としたデータベースです。

 

このタイプは、特に時系列データやビッグデータの分析に適しており、高いスケーラビリティとパフォーマンスを提供します。

 

カラムストアは、大規模なデータウェアハウスやリアルタイム分析に利用されることが多いです。

 

グラフストア

グラフストアは、エンティティ間の関係をグラフとして表現することに特化しています。

 

このタイプのデータベースは、複雑なネットワークや相互関係を持つデータの分析に非常に適しています。ソーシャルネットワークの分析、推薦システム、知識グラフなど、関係性が重要なアプリケーションでの利用が見られます。

 

これらのNoSQLデータベースの種類は、それぞれ異なる特性を持ち、現代の多様なデータ処理のニーズに応えるための選択肢を提供しています。

 

NoSQLの実践的な活用例

NoSQLデータベースは、その柔軟性と拡張性により、多様な現代のビジネスシナリオにおいて重要な役割を果たしています。

 

ここでは、NoSQLの実践的な活用例をいくつか紹介します。

 

ビッグデータとリアルタイム分析

ビッグデータの処理とリアルタイム分析は、NoSQLデータベースの最も顕著な活用例の一つです。

 

大量のデータを迅速に処理し、リアルタイムでの分析を可能にするために、多くの企業がNoSQLを採用しています。

 

例えば、ソーシャルメディアのデータ分析、Eコマースサイトでのユーザー行動の追跡、金融市場のトレンド分析などが挙げられます。

 

これらの分野では、データの量が膨大であり、従来のリレーショナルデータベースでは処理が難しいため、NoSQLがその拡張性と高速な読み書き能力で重要な役割を果たしています。

 

これらの実践的な活用例から、NoSQLデータベースが現代のデータ処理の要求にどのように応えているかが明らかになります。

 

ビッグデータの分析からクラウドアプリケーションのサポートまで、NoSQLは多様なニーズに対応するための強力なツールとして機能しています。

 

参考

【事例:楽天】エアロスパイクを活用したターゲティング広告の実例

 

NoSQLの選択と導入のポイント

NoSQLデータベースの選択と導入は、プロジェクトの成功に直結する重要な決定です。

 

適切なNoSQLデータベースを選択し、効果的に導入するためのポイントを以下に詳述します。

 

プロジェクトに適したNoSQLの選び方

プロジェクトに最適なNoSQLデータベースを選択する際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。

 

まず、プロジェクトのデータ構造と要件を明確に理解することが重要です。

 

例えば、非構造化データや複雑なデータモデルを扱う場合はドキュメント指向のデータベースが適しているかもしれません。

 

また、大量のトランザクションデータをリアルタイムで処理する必要がある場合は、高い拡張性を持つキーバリューストアやカラムストアが適切です。

 

次に、データベースのパフォーマンス、拡張性、可用性を評価します。

プロジェクトの規模や将来の成長を考慮し、データベースがこれらの要件を満たしているかを確認することが重要です。

 

また、既存のシステムや技術スタックとの互換性も考慮する必要があります。

 

導入時の注意点とベストプラクティス

NoSQLデータベースの導入時には、いくつかの注意点があります。

 

まず、データモデリングにおいては、従来のリレーショナルデータベースとは異なるアプローチが必要です。

 

NoSQLデータベースはスキーマレスであるため、データ構造を柔軟に設計することが可能ですが、これにはデータのアクセスパターンを十分に理解することが必要です。

 

また、データの移行計画を慎重に立てることが重要です。

 

特に、既存のリレーショナルデータベースからNoSQLデータベースへの移行は、データ構造の違いにより複雑になる可能性があります。

 

データの整合性を保ちながら効率的に移行するための計画を立てることが求められます。

 

さらに、チームメンバーのスキルセットとトレーニングも重要な要素です。

 

NoSQLデータベースは新しい技術であるため、適切な知識と経験を持つ人材が必要です。

 

必要に応じてトレーニングや教育プログラムを実施し、チームが新しい技術を効果的に活用できるようにすることが推奨されます。

 

最後に、セキュリティとバックアップの戦略も重要です。

 

データの安全性を確保し、障害発生時に迅速に対応できるように、適切なセキュリティ対策とバックアップ計画を立てることが必要です。

 

これらのポイントを踏まえることで、NoSQLデータベースの選択と導入は、プロジェクトの成功に大きく貢献することでしょう。

 

No SQLまとめ

オープンソースも多いNoSQLデータベースですが、Aerospikeは有償のソフトウェアを提供しています。

(機能を限定した無償のCommunity Editionも存在します。)

 

低レイテンシーで高いスループットと、少ないメモリ量で高性能(サーバー台数を削減)を実現します。

 

実際の導入事例やエアロスパイクの特徴はこちらのウェビナーよりご覧いただけます。

 

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